
「WordPressの初期設定を進めているけど、
『管理者メールアドレス』って何を設定すればいいの?」
「普段使っている個人のメールアドレスで登録して、重要な通知を見逃したり、不要なメールが増えたりしないか不安…」

WordPressを始めたばかりの時、こんな悩みで手が止まってしまいますよね。
実は、管理者メールアドレスはサイトの更新通知やエラー発生時のお知らせ、パスワード再設定などを受け取るための、いわばサイト運営の「命綱」です。そのため、いつでも確実に確認できる専用のメールアドレスを設定することが、最も安全で確実な選択肢となります。
この記事では、管理者メールアドレスの具体的な役割から、Gmailでも大丈夫なのかという疑問、そして初心者でも安心してできる設定・変更手順まで、知っておくべき5つのコツを分かりやすく解説します。
この記事を読めば、管理者メールアドレスに関するあなたの不安はすべて解消され、自信を持ってサイト運営の第一歩を踏み出せるようになります。
- 管理者メールアドレスは、サイトからの「重要通知」の受取に必須
- エラー通知・パスワードの再設定時などに必要になる
- Gメールでも使用OK!だけど、NGアドレスもある
- 管理者メールアドレスの設定や変更方法
- 承認メールが届かない時の原因と対処法とは?
WordPressの管理者メールアドレスとは?サイト運営の「命綱」


WordPressをインストールすると、必ず「管理者メールアドレス」を設定する項目があります。これは、あなたのWebサイトの「公式な連絡先」のようなものです。
サイトに何か大切なことが起きた時に、WordPressシステムから自動でメールが届くようになっています。
普段はあまり意識しないかもしれませんが、いざという時にあなたのサイトを守るための、とても大切な設定の一つです。
なぜ「命綱」と呼ばれるほど重要なのか?
管理者メールアドレスが「命綱」と呼ばれるのには、はっきりとした理由があります。
もし、あなたがサイトにログインするためのパスワードを忘れてしまったらどうしますか?そんな時、パスワードをリセット(再設定)するための特別なリンクを送ってもらうのが、この管理者メールアドレスなのです。
もし、このメールアドレスが間違っていたり、もう使えないものだったりすると、パスワードをリセットできず、最悪の場合、ご自身のサイトに二度とログインできなくなってしまう可能性もあります。
このように、サイトへのアクセスを保つための最後の砦となるため、非常に重要な役割を持っています。
【結論】WordPress管理者メールアドレスは何に使う?重要な5つの役割と活用シーン


管理者メールアドレスの重要性はわかったけれど、「具体的にどんなメールが届くの?」と疑問に思いますよね。主に、以下の5つの役割に関する重要な通知が届きます。
役割①:サイトに技術的な問題が発生した時の通知
あなたのサイトで、プログラムのエラーなど重大な技術的問題が起きた際に通知が届きます。これは、サイトが正しく表示されなくなるなどのトラブルを知らせてくれる、非常に重要なメールです。
この通知のおかげで、サイトの問題にいち早く気づき、対処することができます。
役割②:WordPress本体・プラグイン・テーマの自動更新通知
WordPressは、セキュリティ強化や機能追加のために、システム自体(本体)や追加機能(プラグイン)、デザインのテンプレート(テーマ)が自動で更新されることがあります。
その際に、「更新が完了しましたよ」という報告メールが届きます。これにより、自分のサイトが常に最新で安全な状態に保たれていることを確認できます。



プラグインの自動更新は「有効」にしておくのがおすすめ!


役割③:パスワードを忘れた際の再設定用リンクの受信
前の章でも説明した通り、最も重要な役割の一つです。ログインパスワードを忘れてしまった時に、パスワードを新しく設定するための特別なリンクがこのメールアドレスに送られます。
これが受け取れないと、サイトの管理画面に入れなくなってしまいます。
役割④:新しいコメントやピンバックの通知
あなたのブログ記事に読者から新しいコメントが投稿された時に、お知らせメールが届きます。これにより、読者とのコミュニケーションを素早く取ることができます。
また、「ピンバック」という、他のサイトからあなたの記事へリンクが貼られた際にも通知が届きます。
役割⑤:新規ユーザーが登録された際の通知
複数人でサイトを運営する場合など、自分以外に新しいユーザーがサイトに登録された時に通知が届きます。身に覚えのないユーザー登録があった場合など、セキュリティのチェックにも役立ちます。
【実践】管理者メールアドレスの変更が必要になる4つのケース
では、実際にどのようなタイミングで管理者メールアドレスを変更する必要があるのでしょうか。



よくある4つのケースを見てみましょう。
ケース①:サイトの担当者が変更になった
会社でWebサイトを運営している場合、担当者が異動や退職で変わることがあります。その際は、必ず新しい担当者のメールアドレスに設定を変更し、引き継ぎをしましょう。
ケース②:制作会社からサイトを納品・引き継ぎされた
ホームページ制作会社にサイトを作ってもらった場合、最初は制作会社のメールアドレスが設定されていることがあります。サイトが完成して自分の手元に来たら、必ず自分のメールアドレスに変更するのを忘れないようにしましょう。
ケース③:重要な通知と普段のメールを分けたい
サイト運営を続けていると、WordPressからの通知が増えてきます。普段使っているメールアドレスだと、他の大切なメールと混ざって見逃してしまうかもしれません。サイト専用のメールアドレスを作って管理者メールアドレスに設定すれば、重要な通知を整理しやすくなります。
ケース④:ログイン用のメールアドレスも変更したい
WordPressでは、基本的に「ユーザーのメールアドレス」がログイン時のIDの役割も果たします。セキュリティを高めるために、推測されやすいメールアドレスから、より安全なものに変更したい場合にも、設定変更が必要になります。



セキュリティはめっちゃ大事です!


どのメールアドレスを設定すべき?GmailでOK?推奨アドレスを解説


サイト運営の命綱ともいえる管理者メールアドレスですが、「じゃあ、具体的にどのアドレスを設定するのが一番いいの?」と迷いますよね。ここでは、おすすめのメールアドレスと、避けるべきメールアドレスについて解説します。
【一番おすすめ】サイト専用のメールアドレス(独自ドメイン or フリーメール)
結論から言うと、Webサイト専用のメールアドレスを新しく作って設定するのが最もおすすめです。
専用にすることで、プライベートのメールと混ざることがなくなり、WordPressからの重要な通知を見逃すリスクをぐっと減らせます。
info@あなたのサイト名.com
のような、サイトのドメインを使ったメールアドレスです。信頼性が高く見えますが、設定に少し手間がかかる場合があります。
GmailやYahoo!メールなどで、サイト名.info@gmail.com
のように、サイト専用のアカウントを新しく作る方法です。手軽で費用もかからないため、初心者の方にはこちらがおすすめです。
GmailやYahoo!メールなどのフリーメールは使っても良い?
GmailやYahoo!メールなどのフリーメールを使っても問題ありません。
ただし、普段から使っているプライベートなアカウントをそのまま設定するのは、あまりおすすめできません。理由は、受信メールが多くなると、WordPressからの大切な通知が他のメールに埋もれてしまう可能性があるからです。
もしフリーメールを使うなら、先ほどお伝えしたように「サイト管理専用」の新しいアカウントを作成するのがベストな選択です。
【非推奨】避けるべきメールアドレスとその理由
反対に、「これは設定しない方がいい」というメールアドレスもあります。



特に以下の2つには注意しましょう。
プロバイダーのメールアドレス
プロバイダーとは、インターネットに接続するために契約している会社(例:nifty、So-netなど)のことです。example@nifty.com
のようなメールアドレスが該当します。
これを設定しない方が良い理由は、もし将来インターネットの契約会社を変更(乗り換え)した場合、そのメールアドレスが使えなくなってしまうからです。サイト運営は長く続くものなので、将来的になくなる可能性のあるメールアドレスは避けましょう。
普段使いのプライベートなメールアドレス
繰り返しになりますが、日常的に使っている個人のメールアドレスはおすすめできません。友人からの連絡やネットショッピングのメールに紛れて、サイトの技術的なエラー通知など、緊急性の高いメールを見逃してしまう危険性があります。
初心者でも簡単!WordPress管理者メールアドレスの設定・変更手順


管理者メールアドレスの変更は、WordPressの管理画面から数分で完了します。専門的な知識は一切必要ありませんので、安心して進めていきましょう。ここでは、画像を使いながら手順を一つずつ解説します。
まずは現在の設定を確認する方法
最初に、今どのメールアドレスが設定されているかを確認してみましょう。
- WordPressの管理画面にログインします。
- 左側のメニューから「設定」にカーソルを合わせ、「一般」をクリックします。
- 「一般設定」のページが開くと、「管理者メールアドレス」という項目があります。そこに表示されているのが、現在設定されているメールアドレスです。
管理画面から変更する基本的な手順(画像付き)
現在の設定を確認できたら、いよいよ新しいメールアドレスに変更していきます。手順は全部で4ステップです。
STEP1:「設定」>「一般」を開く


まずは、先ほど確認した時と同じように、管理画面のメニューから「設定」>「一般」と進み、「一般設定」のページを開きます。
STEP2:新しいメールアドレスを入力して変更を保存


「管理者メールアドレス」の入力欄に、新しく設定したいメールアドレスを正確に入力します。入力が終わったら、ページの一番下にある「変更を保存」ボタンを忘れずにクリックしてください。
STEP3:新しいメールアドレスに届く承認メールを確認


「変更を保存」ボタンを押すと、STEP2で入力した新しいメールアドレス宛に、WordPressから確認のメールが自動で送信されます。
件名:【(あなたのサイト名)】新規管理用メールアドレス
このような件名のメールが届いているか、受信ボックスを確認しましょう。
STEP4:承認リンクをクリックして変更を完了


メールを開くと、中に変更を確定させるための青い文字のリンク(URL)があります。そのリンクをクリックしてください。
リンクをクリックすると、再びWordPressの管理画面に戻ります。これで、管理者メールアドレスの変更はすべて完了です。お疲れ様でした!
承認メールが届かない!変更できない時の原因と対処法


手順通りに進めたはずなのに、「新しいメールアドレスに承認メールが届かない!」というトラブルは、実はよくあることです。焦らずに、原因を一つずつチェックしていきましょう。



主な原因は4つ考えられます。
原因①:入力したメールアドレスが間違っている
とても単純なことですが、一番多い原因がメールアドレスの入力ミスです。
.com
を .co.jp
と間違えたり、アルファベットの「l(エル)」と数字の「1(イチ)」を打ち間違えたりしていないか、もう一度よく確認してみてください。
再度「設定」>「一般」の画面を開き、ゆっくりと正確にメールアドレスを入力し直し、「変更を保存」をクリックしてみましょう。
原因②:迷惑メールフォルダに振り分けられている
メールソフトやGmailなどのWebメールサービスが、WordPressからの通知を「迷惑メール」だと判断してしまい、自動で迷惑メール用のフォルダに振り分けてしまうことがあります。
受信トレイだけでなく、「迷惑メールフォルダ」や「プロモーションフォルダ」などを確認してみてください。もしメールが見つかったら、そのメールを開いて「迷惑メールではない」というボタンを押し、通常の受信トレイに移動させておきましょう。
原因③:サーバー側でメール送信機能が有効になっていない
少し専門的な話になりますが、WordPressからメールを送るためには、Webサイトが置いてあるコンピューター(サーバー)のメール送信機能が正しく設定されている必要があります。
利用しているレンタルサーバー会社によっては、この機能が初期設定ではオフになっていたり、制限がかかっていたりする場合があります。
ご自身で契約しているレンタルサーバー(エックスサーバー、ロリポップ!など)の公式サイトでQ&Aを確認するか、サポートセンターに「WordPressからメールが送信できません」と問い合わせてみるのが一番確実で早いです。


原因④:プラグインが干渉している
WordPressに追加している便利な機能(プラグイン)の中に、メール送信の仕組みに影響を与えてしまうものが含まれている可能性があります。特に、セキュリティ関連のプラグインや、お問い合わせフォームのプラグインなどが原因となることがあります。
一度、すべてのプラグインを停止した状態で、もう一度メールアドレスの変更を試してみてください。もしこれでメールが届けば、原因はプラグインのどれかです。その後、一つずつプラグインを有効に戻していき、どのプラグインが原因か特定しましょう。
【上級者向け】承認なしで管理者メールアドレスを強制変更する方法


「どうしても承認メールが届かない」「前の担当者と連絡が取れず、古いメールアドレスが使えない」といった、どうしようもない状況に陥ることがあるかもしれません。
ここでは、最終手段として、WordPressからの承認メールなしで強制的に管理者メールアドレスを変更する方法を2つ紹介します。ただし、これらの方法はサイトの内部データを直接触るため、一歩間違えるとサイトが表示されなくなる危険性もあります。作業は慎重に行いましょう。
注意:必ずバックアップを取ってから作業してください
これから紹介する方法を試す前には、必ずサイト全体のバックアップを取得してください。バックアップがあれば、万が一トラブルが起きても作業前の状態に戻すことができます。
多くのレンタルサーバーには簡単なバックアップ機能がついていますので、ぜひ活用しましょう。



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方法①:プラグインを使って変更する
一番手軽で比較的安全なのが、専用のプラグインを使う方法です。承認メールのプロセスを省略して、管理画面からメールアドレスを直接変更できるようになります。
代表的なプラグインとして「Change Admin Email Setting Without Outgoing Email」があります。
- プラグインの「新規追加」画面で「Change Admin Email Setting Without Outgoing Email」を検索し、インストールして有効化します。
- 有効化すると、自動的に「設定」>「一般」の管理者メールアドレスの項目に「(Without sending an email)」という注意書きが追加されます。
- この状態で新しいメールアドレスを入力して「変更を保存」すれば、承認メールなしで即座に変更が反映されます。
※作業が終わったら、このプラグインは停止または削除してしまって問題ありません。
方法②:WordPressの「すべての設定」画面から変更する
WordPressには、通常の管理画面には表示されない、すべての設定項目が一覧になった隠しページが存在します。そこから直接メールアドレスを書き換える方法です。
- ブラウザのアドレスバーに、以下のURLを直接入力してアクセスします。
http://あなたのドメイン名/wp-admin/options.php
- サイトに関するすべての設定がアルファベット順に表示されます。非常に多くの項目があるので、キーボードの「Ctrl」+「F」(Macの場合は「command」+「F」)を押して、ページ内検索で「admin_email」と入力して探します。
admin_email
の右側にある入力欄に、新しいメールアドレスを入力します。- 同様に、ページ内検索で「new_admin_email」を探し、こちらの入力欄も同じく新しいメールアドレスに書き換えるか、空欄にします。
- ページの一番下までスクロールし、「変更を保存」ボタンをクリックします。
これで変更は完了です。「設定」>「一般」画面を開き、メールアドレスが変わっていることを確認してください。
まとめ
今回は、WordPressの管理者メールアドレスが「何に使うのか?」という基本的な疑問から、具体的な設定・変更方法、そしてトラブルが起きた時の対処法まで詳しく解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。
- 管理者メールアドレスは、サイトのエラー通知やパスワード再設定などを受け取る「命綱」。
- 設定するのは、普段使いとは別の「サイト管理専用」のメールアドレスが一番おすすめ。
- 変更は管理画面の「設定」>「一般」から簡単に行える。
- どうしても変更できない時は、プラグインや直接編集する方法もあるが、バックアップは必須。
地味な設定項目に見えるかもしれませんが、管理者メールアドレスを正しく設定しておくことは、あなたの大切なサイトをトラブルから守るための第一歩です。
この記事を参考に、ご自身のサイトの設定を今一度見直し、いつでも確実にメールが受け取れる状態にしておきましょう。そうすれば、余計な心配をすることなく、安心してコンテンツ作りなど、本来のサイト運営に集中できますよ。